天皇退位した方がよかった 歴史認識問題で菅氏 だそうである。
歴史認識で問題なのは、最近の政治家の歴史認識が甘すぎることである。 歴史を本当に勉強しているのだろうか。 戦争の反対語は平和ではない。戦争の対となるのは「(武力に訴えない話し合いの)外交」である。 念のために言うなら、平和の反対は「混乱」であって戦争ではない。 戦争は「政治」の手段であり、状態を指す言葉ではないのである。 つまり「戦争」とは、その時代の政治家が選択する「政治手段」なのだ。 これは非常に基本的なことで、かつ近年の日本人がまともに「戦争とは何か」を教えず、考えてこなかったために国民レベルで誤解されていることである。 当時、昭和天皇は「政治に参加していない」むしろ「参加させてもらえない」状態にあったのである。すべての政治は天皇を輔弼(ほひつ)する各大臣が大臣の責任で政治を執り行うことになっていた。 その結果、各大臣、および参謀総長や軍令部長(ともに陸軍と海軍のトップ)からの「こうしますからね」という話を聞かされ、その話を承認=「わかった」というだけの存在だったのである。 戦争突入時に最後まで外交努力を続けさせたのは昭和天皇である。山本五十六は真珠湾攻撃開始を命ずるギリギリの最後まで、対米交渉の成功を祈っていたのだ。 緒戦の優勢に勢いづき、伸びきった補給線の先に作った孤島の飛行場。南海ソロモン諸島のガダルカナル島に米軍が本格的反抗上陸を開始したとき、真っ先に「大丈夫か、本当に守れるか」と心配したのも昭和天皇である。 そしてそのソロモン諸島で補給がうまくいかず、航空消耗戦が始まったとき「大変な作戦になってしまったではないか」と大局的な戦略眼で日本のおかれた状況を看破したのも昭和天皇である。 実質的な日米最終決戦となった「あ号作戦(マリアナ沖海戦)」に惨敗し、続くレイテ海戦で戦艦武蔵や歴戦の正規空母・瑞鶴が沈められた。そのままフィリピンを押さえた米軍に南方からの資源補給ルートを遮断され、沖縄本土で激戦が戦われた。 東京・大阪に大空襲があり、戦艦大和が沈み(大和一艦が沈没したことで殉死した兵員数は、全期間を通じた特攻隊員の総死者よりも多い)、そしてヒロシマ・ナガサキに核が落とされた。米軍は兵士も民間人も全く関係なく、日本民族を殺戮しはじめた。 新聞(特に今サヨク的な記事ばかり掲げている新聞ほど)が、それこそ勇ましい言葉で国民を煽り立て、戦争に駆り立てていたこと、戦争に反対する発言を弾圧し非国民呼ばわりしていたことを知っているか? そして「こうなったら日本民族の滅亡を賭けて最後まで戦うのだ、国民も承知している」と力む軍部を、すれすれで押さえ込み、「聖断」としての無条件降伏を選択して、この混乱状態に決着をつけたのは誰だったのか知っているのか。 天皇は、戦争を開始します、と言った政治家に「わかった」と言った責任があった。 だから政治家が戦争をやめたくてもやめられなくなったときに「終わりにせよ」と言ったのである。それまで、天皇の声が電波に乗ったことなど無いのに「国民が納得するならどんなことでもやる」として自分の肉声を録音し放送させたのも彼である。このテープを強奪しようとクーデターが起こりかかったという事実すらある。 もう十分、責任は取っている。 日本として、国としても、戦後賠償はすべて完済している。 本来ならば、もう戦争について責任がどうのこうのといわれる筋合いは無いのである。 ましてや、なぜ日本人の政治家が、言われてもいない自国の象徴に対して「戦争責任がどうこう」といまさら言うのか。 簡単である。そのほうが人気が出て票がもらえると思っているからだ。 自虐史観の虜になるのもいい加減にして欲しい。 これからの国際社会において、一時期のようなエコノミックモンスターでもなくなってきた日本が、どのような立場で振舞うべきなのか。 いま日本が自国のためにやらなければならないことは何か。 そして他国から何を期待され、何をするのが良いのか。 他国におもねることなく、自国の力で自立し、「日本人、ここにあり」と国民が胸を張って海外に出られるような国となるために、何をする必要があるのかを、政治家は考えるべきだし、考えてもらいたい。
by xdev
| 2005-05-09 02:34
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