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アリとキリギリス

7才になる息子と近所へ買い物に行った帰り。道端に、アリのたかったキリギリスが一匹。でもまだ息があるようで触覚とか前足とか動く。
「あー、でもこれじゃあアリさんには勝てないねぇ」 とつぶやくと、息子が「チャッピー(敵キャラ)とピクミンみたいだね」 と言うので「ピクミンはテレビの中、ゲームの世界の話。でもこのキリギリスは今、アリさんに噛まれてて、本当に痛いの。わかる?」

「…」

そう言ってもわからないんだろうなあ。
「痛い」という思いをどれだけ生々しく思い出せるんだろう。忘れちゃってる。
最後に「激痛」を喰らったのがいつごろかとか、どんな風に痛かったかは思い出せるけど、「痛さそのもの」は思い出せないもんですね。
昔は今よりもずっと生活そのものが「死」や「怪我」や「恐怖」のそばにあって、だから周りの親も「そんなに簡単に死なないよ」という話ができたんだろう。今より昔の親はずっとずっと「何言ってんだ、大丈夫だよ」って感じだった。
今は「死」「怪我」「恐怖」がはるか遠い場所にあるから、転んで血が出ただけでパニックになったり、また「死」ということそのものが分からなくて悲しい事件が起こるのかもしれないね。
やっぱり痛みや苦しみを常に受けるような環境じゃないと、人間、つらい記憶は忘れるんでしょうな。
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by xdev | 2004-07-25 22:14 | 身の回り
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