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明日から

実家から電話が来た。
「もしもし」
「おお、母さんか。珍しいな」
「今度、お父さん入院するんだ」
「なに、どうしたの」
「ギックリ腰でよ。手術すんのよ」
「そんなに悪いのか」
「ちょっと待ってな、お父さんと代わるから」

「おっ」
「何、入院すんだって?」
「んん。もう痛くて痛くて歩かんなくてな。お母さんに車で病院連れてってもらった」
「一歩もか」
「一歩もだ。最初の病院でレントゲン」
「ふーん。どこ悪いか分かったのか」
「んだ。したら『こりゃちゃんと直すなら手術だな』てよ。『後、クスリで痛みを騙すか』て」
「クスリじゃダメなんだろ?」
「それがよ、とりあえずクスリもらて使ったらすごく楽になってよ」
「そりゃ逆に危ねえんじゃねーのか」
「んだったのよ。クスリ切れるべ?動けなくなってな」
「効きすぎたんだろ」
「ん。楽だからて無理したのが、後でたたったんだな」
「だからそんな急に楽になるクスリ、だめだって。んで?」
「手術してけろ、って言ったら『無理には勧めない』て言われて」
「何それ。自分で手術だつってこっちも頼んでんのに、やりたくないてか。やぶじゃねえか」
「いやあ、そんなことねーべ」
「だって手術しないで、んな変なクスリずっと使うのか。その医者やめろよ」
「いや、んで、クスリでなくて手術して楽になりてえって言ったのよ」
「その医者にか」
「んだ。したら、もっとおっきな病院紹介すっから、そっちでちゃんと手術しろてよ」
「なるほど」
「んで、入院」
「わかった。どのくらい入院で、いつ退院できるんだ」
「わかんね。また連絡するわ」

その後
「もしもし母さんか」
「うん」
「一人か」
「んだ、お父さん病院だもの」
「手術は」
「終わった。成功」
「なんだ、前の日に電話しろって言ったのに」
「いや、もういいべ」
「誰か看てんのか」
「誰も。こないだの手術の時はずっといたけど」
「そうか」
「まったくよ、先生とか看護婦さんとかにジョーダンばっかり」
「スケベオヤジか。なにやってんだか。騒がしいべ」
「んだ。あとは、田んぼどうした、とか畑どうした、とか」
「そうか。おとなしく寝てりゃいいのにな」
「んだ。寝ろって言ってるんだけど急に入院して何もすることなくて調子狂ってんのよ」
「いつ退院できそうなの」
「リハビリもあるからあと一週間か二週間そこらは出らんないて」
「退院したら電話くれ」


そして
「もしもし」
「ああ、オヤジか」
「退院したんだけどよう、稲、手伝ってくんねか」
「ん。いいぞ、いつだ」
「再来週」
「再来週休み取れるか見るからちょっと待って」

「大丈夫そうだから休んでそっち行くわ」
「そうか。今年はオレが手術で動けないから、頼むなあ」
「ああ。お母さんは」
「お母さんは動けるから大丈夫」
「いや、そうじゃなくてお母さんいるのか?」
「あ、そうか(笑)、待ってな」

「はいもしもし」
「お母さんか」
「うん」
「みやげ何がいい」
「何もいらね」
「来週の日曜で間に合うのか、稲」
「分かんね。なに、お父さんに聞かねかったか」
「ああ、いいんだ」
「…間に合うとさ。したら、来週頼むな」
「ん。母さん一人じゃ無理だべからな」
「ほんなの、無理無理。よろしく頼むな」
「ん」

ということで明日、日曜から実家に帰ります。
by xdev | 2004-09-18 13:30 | 身の回り
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